次々発売される新製品!ついつい欲しくなるけれど
ゴルフメーカーは毎年春に新製品を発売します。各社の新製品が出揃い、マスターズが開催されて一気に盛り上がるのが例年のゴルフ用品市場です。大手メーカーは魅力的な宣伝文句で自社の新製品を売り出します。宣伝を見ているとついつい新しいクラブを欲しくなりますが、実際プレーに及ぼす影響はどうなのでしょうか?
必ずしも宣伝は鵜吞みにできない
もちろんすべてがそうだというわけではありませんが、ゴルフクラブの宣伝というのは必ずしも鵜呑みにできるものではありません。
もちろんまるっきりいい加減なことを言っているわけではなく、たとえば「〇〇史上最大の飛距離」といった謳い文句を記載するためにはエビデンスが必要になります。
ただ、一般の消費者、アマチュアゴルファーが受ける印象と実際にはかなりの乖離があるのも事実です。
例えば、飛距離については一般にはロボットで計測をおこないます。当然のことながら芯に当たります。ロボットの精度でボールを打ち0.5ヤード伸びた!といったエビデンスでも「史上最大の飛距離」という宣伝は違法にはなりません。
しかし、そんな精度で打てるアマチュアはほぼ居ません。言ってみればメーカーが宣伝する新製品効果は、ごくごく一握りのゴルファー以外にはほとんど関係がないという事実があるのです。
もちろんエビデンスがある以上嘘ではありません。また、1年2年といったスパンではほとんど差が感じられないような進化でも、それを積み重ねることにより10年、15年といったスパンでは大きな進歩に繋がっています。
ゴルフクラブが進歩していることは疑いの余地はありませんが、やはり宣伝そのものは「誇大」と言われるギリギリ手前の文言が散りばめられているのは否定できないでしょう。
ナントカシステムの秘密
これについても全部が全部そうだというわけではありません。それは最初にきちんと申し上げておきますが、ゴルフクラブが発売されると必ずと言っていいほど「ナントカシステム」が搭載されています。なかには不思議に思う方もいらっしゃるでしょうが、これらのシステムの効果について数字的な根拠が示されることはほとんどありません。
もちろんスポーツの道具ですから数字的な根拠が提示しにくいという面もありますが、多くはほぼ効果が無いからです。
もちろんたとえば「ゴルフクラブにおける20世紀最大の発明」といわれるピンのパターのように搭載されたシステムによりあきらかなメリットがある場合もあります。
しかし、そのような発明は当たり前ですが簡単にできるわけではありません。しかし、営業的な側面からいえば「ナントカシステム」がないとカタログに記載する内容が無くなってしまいます。
かつてメーカーには「3つの謳い文句があれば売れる」という言葉がありました。カタログに記載する「ナントカシステム」が3つあれば売れる、逆にいえば3つ無いと売れないということです。
当たり前ですが実効性のあるシステムが毎年毎年3つも発明できるわけがありません。しかし営業部門からはプレッシャーがかかりますので、なんとか異素材をくっつけたり形状をいじったりしてカタログを飾るためのシステムを作り上げるというわけです。
本当に効果のある発明は廃れない
ピンの発明したパターは、各メーカーが真似をして同様の形状のパターを発売しています。スコッティキャメロンのような名器もピンの発明がなければ生まれなかったかもしれません。実効性のある発明がなかなか作れないということは裏を返せば実効性のある発明はなかなか廃れないということです。
ですので新製品の魅力的なカタログ文言に飛びつかずに、しばらく様子を見るというのもひとつの手です。半年1年と経過すれば市場が答えを出してくれます。
本当に効果のあるシステムであれば、売り上げは伸び評判となります。クラブに限らず例えばタイトリストのPRO V1のようなボールやアマチュア向けではブリヂストンのJGRのようなロングランのボールのようにロングランのものには長く売れ続ける秘密があると考えて良いでしょう。
まとめ
ゴルフは簡単には上達しません。一般のアマチュアではなかなか練習量も取れませんので新製品の謳い文句が非常に魅力的に映るとは思います。
しかし、必ずしもカタログのような効果が実感できるわけではありません。
むしろ2年くらい待って評価が高いものだけを試打して選ぶような方法をとったほうが効果的な買い替えができることが多いのではないかと思います。