女子プロの間でブーム!テーラーメイド「トラスパター」とは



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女子ゴルフツアー界でブームを起こしたテーラーメイドの「トラスパター」。
2020年の日本女子プロゴルフ選手権で、永峰咲希プロが優勝した時に使用したパターです。
これはネックの形が三角形で、橋にみられる構造を応用しています。
今や最前線を走るトラスパターに迫ってみます!

女子ツアー界に起きたトラス現象

永峰プロが日本女子プロゴルフ選手権で優勝したことをきっかけに、プロでも入手困難になるほど人気が出たテーラーメイド「トラス」シリーズのパター。
パターの形状が新たな時代に突入しました。

【トラスパターとは】
ネックの形状が三角形のトラスパター。
これは橋の耐久性を高めるための構造を応用したものです。

三角形が組み合わされた橋を見たことがあるかもしれませんね。
この構造にすると荷重や衝撃がかかっても、三角形のそれぞれの軸に圧力が分散されるために耐久性があがります。

その構造をパターのネックホーゼルの部分に取り入れることで、ストローク中のねじれを抑制し、かつミスヒット時の安定感を生み出しました。
見た目はシャープなブレード型で、ネオマレット型のような寛容さを持ち合わせている新たなパターが出来上がりました。

【女子プロ界のトラス現象】
女子プロ界で瞬く間に拡がったトラスパター現象のタイムラインは次の通りです。

・ 2020年9月永峰咲希プロがトラス使用者初の優勝を勝ち取る
・ 第二波は塩谷育代プロなどベテランプロのクチコミによるもの
・ 第三波は2020年10月稲見萌寧プロがスタンレーレディスで優勝した時

以上のような流れで、トラスパターが引っ張りだこになったということです。

トラスパター誕生のきっかけ

女子ツアーで人気となったトラスパターですが、元々はテーラーメイド社がダスティン・ジョンソンのために作ったものでした。

【直進性の高いピン型を求めて】
ダスティンが求めていたのは、アドレス時の構えやすさや見た目のスッキリしたクラシックなブレード型です。
以前はスパイダーブレードなどを使用していました。
ところが実際に結果を残したパターは、マレット型のスパイダーだったということです。
高い感性モーメントで直進性が高くミスヒットに強いタイプのパターです。

そこでブレードとマレット、この2つを結合したパターが誕生しました。
ブレードタイプのスッキリした見た目と、マレット型の特徴である高い慣性モーメントを実現したのがトラスパターです。
操作もできてミスにも強いのが最大の魅力です。

【パター形状の変遷はグリーンの速さが影響】
ここで人気パターの変遷を見てみましょう。

・ 1960年代はL字
・ 1970年代後半はピン型
・ 1990年代後半はマレット型
・ 現在はトラスパターが登場

L字が主流の頃はグリーンのスピードが遅く、ロフトを立てて打つのが主流でした。
その後グリーンが早くなりピン型で開閉を抑えたり、マレット型で慣性に頼るようになりました。

現在は高速グリーンに加えて複雑傾斜もあり、同時に2つに対処できるパターが必要となりました。
そこでトラスパターの登場ということですね。

【人気とはいえ万能ではない】
トラスパターは大人気ですが、誰にでも必ず合うというわけではないです。
次のようなミスが多くみられる方は要注意です。

・ 右へ押し出すミス
・ ショートのミス

右に押し出しやすい人は、自分で捕まえに行かないといけないので、慣性モーメントの高いものだと開いて当たりやすいです。
またヘッドが前後に広くて重いパターほど球が伸びやすいため、ショートが多い人はトラスのようなブレード型よりマレット型の方が合うのです。

まとめ

トラスパターはネック部分の三角形の間を埋めることで適合パターとなり、他のパターの仲間入りをしました。
現在の複雑なグリーンに対応できる、最前線のパターです。

もともとはメーカーのテーラーメイドがダスティン・ジョンソンのために開発したものですが、日本の女子ツアーで大人気となりました。
魅力は十分ありますが、誰にでも合うということではないので、使用する場合は試してみるのがよさそうですね!

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