ゴルフのツアー競技で「スコア誤記」はなぜなくならないのか



ゴルフライフ

ゴルフのツアー競技で聞く「スコア誤記」という言葉。このことで失格となるプレーヤーがいますね。
経験豊富なプロがなぜこの大きなダメージとなってしまう失敗をしてしまうのでしょうか。
そこで「スコア誤記」というものがなぜなくならないのか、その理由を考えます。

スコア誤記は気をつけていても起きる

去る2023年USLPGAのQスクール・ステージ2にて原英莉花プロがスコア誤記で失格となったケースで考えます。

【スコア誤記となった理由】
今回のケースは、提出されたスコアカードで誤った打数が記入されていたというもの。
ボギーで「5」と記入すべきホールの枠に「4」と書かれていたということです。

アウトの合計スコア「34」は正しかったのですが、ゴルフ規則(3―3b)は各ホールの提出スコアが実際のスコアよりも少ない場合は失格と定めています。
マーカー役の同伴競技者が誤って記入したスコアカードに、プレーヤーが確認のサインを入れて提出したということです。

【スコア提出の方法】
スコア誤記はプレーヤーの不注意と、偶然が重なって起こるケースがほとんど。
ルールをよくわかっていないから起きるものではないのです。

競技ではスコアカードは主に同伴競技者(マーカー)が記入します。
ラウンド後にプレーヤーがそれが正しいのかどうかを確認して提出します。

【なぜスコア誤記が生じるか】
スコア誤記の主な原因は、自分のプレーに集中しすぎて他人のスコア確認が疎かになること。
例えばグリーンの反対側でのミスを見逃すのは不思議ではありませんよね。

また各ホールでスコアを確認しないで、まとめて後で記入するのも危険。
合計スコアは合致していても、ホールごとの数字を入れ違えてしまうケースがあります。

スコアの成否の判断は各ホールなので、ハーフやトータルの合計を間違えても大丈夫なのですが、例えば連続する2つのホールで「3」と「4」のスコアを入れ違えた場合、本来「4」のホールで「3」と記入したことで過少申告とみなされ失格となります。

現在スコア誤記による失格はあまり見られない

紆余曲折あり、現在ではルール絡みのスコア誤記による失格はほとんどないそうです。

【ルール改訂があった】
2016年にルール改定が行われ「スコアカードを提出する前に罰を受けていたことを知らす、罰打を含めなかった場合は競技失格とならない」となりました。
とはいえルール絡みでの「スコア誤記」が全くなくなったというわけでもないです。

【原プロの場合】
原プロは2018年のスタジオアリス女子オープンでもスコア誤記で失格していますが、この時はカート道路からの救済措置を勘違いしたもの。
同伴競技者の指摘を無視してそのまま罰打を加えずにスコアカードを提出したことで「過少申告」となったものです。
「罰を受けていたことを知らず」ではなかったからです。
もちろん彼女はその後慎重になったと思われますが、再度このようになったのはとても残念なことですね。

【スコア提出の前に一旦確認できる】
ところで、運営側に落ち度が全くないのかも気になりますが、プレーヤーに寄り添った改善がなされています。
昔は提出箱にスコアカードを入れたら修正ができませんでしたが、今は「提出エリア」内ならレコーダーが確認し、エリア内にプレーヤーがいる間は修正できるようになっています。

また提出の前にスコアの読み合わせの「コーリング」も行われています。
今回の原プロはコーリングをした上での確認ミス。
連戦の疲れの影響か集中力の欠如なのか原因はわからないところです。

スコア誤記はさまざまな要因がありますが、最終的に自分の不注意であると考えるなら、これは同じようになくならない「交通事故」みたいなものかもしれませんね。
人間だから仕方がない、と感じてあげるのも人情かもしれません。

まとめ

スコア誤記には色々な要因が絡んでいます。
とはいえ結局はプレーヤー自身の落ち度ということには変わりありませんね。
この現象は「交通事故」と似ているかもしれません。
このスコア誤記で最も落ち込むのはプレーヤー自身なので、そう考えると責めるのではなく寄り添ってあげることも必要ですね。

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